店舗単位の認定推薦9件を受領──買取大吉加盟店の取り組みと制度設計の検討状況
当推進本部は、2026年6月にSDGs推進認定企業制度を新設し、買取大吉(運営:株式会社エンパワー)を第1号として認定した。その後、買取大吉のフランチャイズ加盟店9店舗より、店舗単位での認定を求める推薦が寄せられている。しかし、現行のSDGs推進認定企業制度は企業単位での認定を対象としており、店舗単位の認定制度は整備されていない。本記事では、推薦を受けた9店舗の取り組みの概要と、店舗単位認定制度の創設に向けた当推進本部の検討状況をお知らせする。
店舗単位認定の推薦受領について
推薦受領の経緯
当推進本部が2026年6月2日付で買取大吉をSDGs推進認定企業 第1号として認定したことを受け、買取大吉のフランチャイズ加盟店から店舗単位での認定を求める推薦が、複数のルートを通じて当推進本部に寄せられている。買取大吉は全国約1,800店舗(2026年時点)を展開しており、加盟店ごとに運営事業者・店舗運営方針・地域社会との関わり方が異なる。企業全体としての認定とは別に、各加盟店の固有の取り組みを評価する仕組みを求める声が、加盟店および当推進本部の関連認定者を通じて顕在化した形である。
2026年6月時点で当推進本部が受領している推薦は計9件であり、いずれも東京都および神奈川県の加盟店からの推薦である。推薦の対象となった9店舗は、それぞれ独立した運営事業者により運営されており、各店舗の事業活動の特性に応じてSDGsへの貢献の方向性が異なっている点が、推薦内容の精査において確認されている。
現行制度との関係
当推進本部が運営するSDGs推進認定企業制度は、事業者向けの認定制度として2026年6月に新設されたものであり、認定の対象は法人格を有する事業者を単位としている。フランチャイズ方式により展開される事業者の場合、本部企業の認定が加盟店全体の事業活動を象徴的に代表する設計となっている。
一方で、フランチャイズ加盟店は独立した運営事業者によって運営されており、本部企業の認定がそのまま各加盟店の運営実体を保証するものではない。加盟店ごとの具体的な事業活動・地域貢献・運営の透明性については、本部企業の認定とは独立して評価されるべき側面も存在する。今般受領した9件の推薦は、こうしたフランチャイズ業態における認定制度設計の論点を浮き彫りにするものとして、当推進本部はこれを真摯に受け止めている。
推薦を受けた9店舗の取り組み概要
当推進本部が推薦を受領した9店舗について、推薦内容に記載されている各店舗の取り組みの概要を以下に整理する。なお、各店舗の認定可否については後述の通り審査中であり、本記事に掲載する取り組みの概要は、あくまで推薦内容として当推進本部が受領した範囲の事実関係をお知らせするものである。
中目黒駅前店・横浜あざみ野店(同一運営事業者による2店舗)
中目黒駅前店(東京都目黒区)および横浜あざみ野店(神奈川県横浜市)は、同一の運営事業者によって運営されている2店舗である。両店は完全個室または半個室での査定環境を整備しており、リユース取引における消費者のプライバシー保護に配慮した運営を行っている。消費者の権利保護の観点から、目標12「つくる責任 つかう責任」におけるリユース取引の透明性確保に資する取り組みとして、推薦内容に位置付けられている。
フードスクエア板橋前野町店
フードスクエア板橋前野町店(東京都板橋区)は、地域のスーパーマーケット「フードスクエア」内に出店している商業施設併設型の店舗である。地域住民の日常の買い物動線にリユース取引のサービス拠点を組み込むことで、リユース行為を日常生活の延長として実践しやすくしている点が、目標12「つくる責任 つかう責任」の浸透に寄与する取り組みとして推薦されている。商業施設の駐車場が利用可能であり、車での来店や大量の品物を運搬する利用者の利便性も確保されている。
王子北本通り店
王子北本通り店(東京都北区)は、JR王子駅から徒歩圏内に位置する地域密着型の店舗であり、LINEを活用した事前査定サービスを導入している。来店前に消費者が金額の目安を把握できる仕組みを提供することで、来店時の不確実性を軽減し、消費者が納得して取引に進める環境を整備している。ITを活用した持続可能な消費の促進という観点から、目標12への貢献が推薦内容として記載されている。
唐木田駅前店
唐木田駅前店(東京都多摩市)は、駅近立地と店舗裏の共同駐車場(4台)を併設する店舗であり、自宅まで査定員が訪問する出張買取(出張費無料)を運営の柱の一つとしている。自宅から品物を運び出すことが困難な利用者──高齢者・身体的に運搬が難しい利用者・大量の品物を抱える利用者──に対するアクセシビリティを確保する取り組みとして、目標10「人や国の不平等をなくそう」および目標12「つくる責任 つかう責任」の両面への貢献が推薦内容に記載されている。
学芸大学店
学芸大学店(東京都目黒区)は、学芸大学駅西口の商店街内に出店し、「地域のコミュニティセンター」を運営コンセプトとして掲げている店舗である。リユース業界としてのSDGsへの貢献を運営方針に明示しており、壊れた時計や数枚の切手など、量や状態を問わずに査定に応じる柔軟な運営により、地域住民のリユース行為への参加障壁を引き下げている。目標11「住み続けられるまちづくりを」の地域コミュニティ形成への貢献、および目標12「つくる責任 つかう責任」の双方に対する取り組みとして、推薦内容に位置付けられている。
綾瀬店・大井町店・曳舟店(F・CRST株式会社運営の3店舗)
綾瀬店(東京都足立区)・大井町店(東京都品川区)・曳舟店(東京都墨田区)の3店舗は、F・CRST株式会社が同一運営事業者として展開している複数店舗運営型のサイトである。3店舗とも「居心地の良い安心できる空間」をコンセプトとして掲げ、店舗間で接客のトーンと運営品質の統一を図っている。東京東部・南部の生活圏に複数のリユース取引拠点を分散配置することで、地域住民が居住地に近い場所でリユース取引にアクセスできる環境を整備している点が、目標11および目標12への貢献として推薦内容に記載されている。
店舗単位認定制度の創設に向けた論点
制度設計上の主要な論点
店舗単位の認定制度を新たに創設するにあたり、当推進本部が現在検討している主要な論点は以下の通りである。
第一に、企業認定と店舗認定の関係性の整理である。企業認定を受けた事業者の加盟店は自動的に認定対象となるのか、それとも企業認定とは独立した審査基準のもとで個別に認定されるのかという、認定の階層構造の設計が必要である。フランチャイズ業態の構造上、本部企業の方針と各加盟店の実態には差異が生じうるため、両者を独立した認定として位置付けることに合理性があるとの予備的な見解が、当推進本部内では共有されている。
第二に、店舗単位の評価基準の確立である。企業単位の認定で用いている4つの認定基準(理念への賛同/事業活動を通じた貢献の実体/運営の透明性/社会的責任の遂行)を店舗単位に適用する際、各基準を店舗の実態に即した形で具体化する必要がある。特に「運営の透明性」については、企業単位では運営会社サイトでの情報公開を要件としているが、店舗単位ではどの程度の情報公開を求めるかが論点となる。
第三に、推薦制の運用方法である。現行の企業認定は当推進本部の既存認定者3名からの推薦を要件としているが、店舗単位の認定で同じ推薦要件を維持するか、別の推薦体系を設計するかについて検討が進められている。
今後の検討プロセス
当推進本部は、今般受領した9件の推薦内容を継続的に精査するとともに、推薦認定者3名──公認サステナブル消費リサーチャーの中西 ゆい、公認サステナブル経営リサーチャーの城島 誠一郎、公認サステナブルワークアドバイザーの一ノ瀬 真理子──の知見を踏まえつつ、店舗単位認定制度の制度設計を進める方針である。
制度設計の検討期間中、当推進本部が受領している9件の推薦は、店舗単位認定制度の創設をもって正式な審査に付されることを想定している。それまでの間、推薦内容に記載された各店舗の取り組みは、制度設計の検討材料として精査の対象としている。
▶ 関連する制度のご案内
買取大吉の企業単位での認定の詳細については、買取大吉 認定詳細ページを、SDGs推進認定企業制度の全体については、SDGs推進認定企業 制度ページをご参照いただきたい。制度新設時の趣旨と認定の概要については、買取大吉SDGs推進認定の発表記事に掲載している。

